優しい沈殿

水のように眠った
連続する穏やかな
体液の水面
幾つかの色を見つけては
金属の味にしたがって
溶けていく
あなたが寒がるから
手袋とマフラーを買った
行く所がある訳でもないのに
大事そうに抱えて
丸まっている
この部屋が
水槽だったらよかった
沈殿するあなたの背中に
まだ優しさが残っていて
他に何も無いけれど
泣いてしまう

投稿者

コメント

  1. 全体的に優しさがあふれていて、好きな詩です。

    沈殿するあなたの背中に
    まだ優しさが残っていて
    他に何も無いけれど
    泣いてしまう

    ここが特に好き。
    沈殿するあなたの背中に優しさが残っていることに、ほっと安堵しました。
    「あなた」を見守るまなざしにも優しさがありますね。

  2. @こしごえ
    こしごえさん、コメントありがとうございます。
    自分のこととして、背中だけは、いつまでも優しくありたいな、と思っています。

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