家さんをかたずけない（aristotles200の妻）

家さんをかたずけなくなって
しばらくたった
もう1週間ほど

結構な汚れ方をしている
家ってすぐに汚れるのだなあ

このカオスが気持ちがいい
温かい

もう何もかも嫌になった
疲れたよお
って心の声が叫んでる

会社
職場
人間関係
自分自身
そうそうそうそう
なんでもいい

なーんか
なんでもいいことに疲れちゃった

家に帰ってきて
疲れたので
ご飯は作って
すぐに寝た
片付けるのが億劫になって
そうすると
家ってすぐに汚くなる

片付けるのがめんどくさい
それでカオスになる

エントロピーの増大ってか

ゴミ屋敷の家に住む人の気持ちを考える
寂しかったんだろか

ものにも意識があるって聞くけど
ものたちに囲まれてると
心和む

でも
私は知っている
もうすぐに片付けなければいけない
そうしないと
本当に壊れてしまう
日常が終わってしまうっていうことを

片付けかあ
ああー
めんどくさいなあ

いつしよう
そんなことを考えている

そして
考えていて2周間がたったのだ

私はかがんで洋服を手に取り、畳みはじめた
きっかけが始まると
もう止まらない

半日かけて片付けた
やっぱりそれらは片付いた

なーんだ、あっという間か

かたずけると、隙間風がスーすーと
なんだか寒い
そして家の中は綺麗になった

足場ができた
それがやっぱり有難い

そこで私は目が覚めた
うえーっと叫んだ

家さんは汚いまま
どうやら掃除をしている夢を
まどろみみていたらしい

潜在意識がもうそろそろかたずけたがってるんだろうか？

よし
片付ける
後5分
時計とにらめっこ

あああ
やばい
あの書類、どこにやったんだっけか
明日までに提出しなきゃあ

私はガバッと起き上がる
あたりをみまわす
うーん
探すものを探すときって
まわりを一つ一つかたずけながらするとよい

そうすることで一挙両得

私は跳ねるように立ち上がった
掃除よりも書類先
掃除よりも書類の行方

家がみるみる片付いていく