春のめざめ

春の小さなお姫さまが
花のベッドで眠っている

麗らかな寝息をたてながら
部屋の空気を艶やかにする

冬の女王は
柔いほっぺに口づけして
そっと幼子を起こす

寝ぼけ眼を擦りながら
ひとつ大きなあくびして

くりくりの大きな瞳が
まばたきするたび
星の砂が金色に舞う

冬の女王と挨拶交わし
別れを告げて部屋を出る

彼女が歩みを進めると
桃色ドレスのフリルが踊る

お日様のぬくもりと手を繋ぎ
頭の冠に緑が萌える

安らぎの風と香りとともに
うぐいすのファンファーレが
あちらこちらでこだまする

春の姫君の御成である

投稿者

東京都

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