薔薇と珈琲
君は何もしてくれないぢやあない
といふより
できないぢやない
優しかつたわたしが
もうどこにいつたかもおもひだせないのよ
いらないものだわ、とおもつてすてちやつたみたいで
***
あとかたもなくなつたこころ
ひとはそれをみておまえがやつたとゆびをさすけれど
わたしだつてきずついて
ぼろぼろで
いたくてなみだがでるのよ
君になにかをしてほしいとおもふのもつかれちやうの
べつに
それがいやだつてわけでもないんだけど
なににおこつていたんだつけ
なににあんしんしていたんだつけと
おもひかえすたびにかなしいのよ
かなしくなるのよ
君に会えなくなつただけで
わからないの
***
また元のよふに笑える日がくるのかしら
来たら来たできつとかなしいのに
母に
死ぬ時は一人で死んで欲しいと思つた
誰にも看取られづ
惜しまれることもなく
私
花束ぐらいは用意するかもしれない
おこつてるのよ、これでも
何にかしらね、理由が多すぎるの
やつとその時が来るといふ
神様がくれた時間は大切に生きたいと思ふ
願い続けた
呪いとは違うのよ
なにもしてくれなくてよかつた
なにもしてもらえなくてもいい
***
父が家に招き入れたでいざすたあ
私だつてあなたのことが心配だつた
なにもできないじやない
してあげたいとおもうことさえひとつもないじやない
金とひきかえなきや
なにひとつ手に入らないんでしよう
べつにかまやしないわ
もう過去のことなのよ
***
自分が一番醜いと思つていればいいわ
***
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