ここから回帰──セツナさの畑地
にべもない……似合わないじゃないか……。孤独を恐れてここまでやって来たというのに、一匹の妖怪よ? ここは、畑地なのだ。お前の来るところではない。
ところが。どうだ? お前は何を思ったのか、のらくらとここで、三々五々の時を過ごしている。お前の仲間は……鼠たちだ!
果てもない……と。よく言う。それは<わたし>の口癖なのだが、<お前>の口癖でもある。世界のすべてから嬲り倒された幽霊よ……いや、言葉を間違ってはいけなかったが……?
異界からここに落とされた。それは、<時間>だ。狂ったように、光速でお前の周りをはしゃぎ回っている。……狂っているだろう??
どうだい、ここの心もち。お前が泣いたとしても、誰ひとりお前の<幸福>を救ってはくれない。それが悲しみなのだと……分かるか?
と、<声立てて> わたしがわたしの左手に、短剣を突き立てたときに(それこそ、幻の短剣だ)──かの男なら、笑っただろう。うふふ。……ようやくの出血だよ、見世物になったんだね、お前?
にべもない……そして、切ないじゃないか。ここは<吹き溜まり>だ。孤独な物たちが、孤独な者たちに寄り添う、<吹き溜まりだ>……どうか、握り飯をくれ! それが、わたしからおまえへの<詫び状>なのだ!
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