空の空【礫】
それは、宙(そら)の界隈。CとDとが違うように、宙とソラとは違う……では、我らはどちらの「そら」に住むというのか?
──なんと、お前たちは「そら」に住めるというのか、あのあいまいな、水蒸気たちの集まる境界の一つ一つの粒子のように、憧れを内層に宿して生きられるというのか……
大いなる旋回(果てと果てとをつなぐ円弧の──聖なる延長として)が、一度まばたきをする、そこから伸びる……無数の腕。
忘れっぽい関手のように、いくつもの瞼を落として、「我ら」は「彼ら」に一体化する。
その聖なる嘆きが、「遠い声」のように、さかしまに垂直に降ってくる。栄光のように、憐憫のように、恩寵のように、墓碑のように……その輪舞(ロンド)のような高まり。
歌い手が行列をなして、ひとつ、から、ふたつ、そしてよっつへと、変転していく、ラララ、と自然な。
パンの耳のように賢い、そして少しは甘い「想い」で、重力は天からのように光射したよ。……そこにある、無数の「救い」
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