狭窄

列車がガッツガガと川を渡る
照らす太陽が橋桁に切断され
網膜は轢死体となって重なる
明滅する世界 壊滅の映写機
断続的振動の頭蓋に一瞬白目
容赦ない金属音の耳鳴りにも
正気を保つのがやっとの私だ

投稿者

千葉県

コメント

  1. 二行目が特に好きです。
    三行目もいいです。
    礫死体もいいなぁ(もう全部では)
    ジオメタリックで硬質なものを感じます。
    真ん中のスペースで狭窄を表現しているのかなと。

  2. @たちばなまこと
    さん、コメントありがとうございます。
    意識してませんでしたがジオメトリックなデザインには妙な安堵感があって大好きです。真ん中の空白にも気づいてもらえて嬉しいです!卒倒寸前の視界みたいなもんです。

  3. 先端にいくにつれ細く狭くなっていく時の管の中を(恐らく)小豆色の列車がいくのが見えましたよーどうしても昭和を感じてしまいますねーこの詩の造りは!文字組が橋桁ですね!

  4. 擬音もいいなー。タイトルと内容の緊張感もいいなー。良い詩を読むと褒める語彙力なくなっちゃいますね。

  5. @三明十種
    さん、コメントありがとうございます。
    あー、その視界ですよねー。それ伝えてくれてめちゃくちゃ嬉しいです。私の記憶では小豆色って阪急電車なんすよねー。かぼちゃ色というかミカン色というか色々ありますわなー。総武快速が荒川を渡るところから着想を得た詩ですー。

  6. @トノモトショウ
    さん、コメントありがとうございます。
    擬音や緊張感に触れてもらえて、「良い詩」とか褒めてもらえたらもうお酒進んじゃうわー。スタイル的にはトノモト・オマージュみたいなもんです(^^)

  7. 映写機、という表現がいいですね。この言葉でこの詩の映像が鮮やかになる。正気を保つ、というフレーズにも惹かれました。緊張感でしょうか。

  8. @長谷川 忍
    さん、コメントありがとうございます。
    映写機に触れてもらえて嬉しいです。世界は外側も内側も崩壊しつつあり混乱しているのでしょうかね。そんな緊張感が期せずして表現できていたら本望です。

コメントするためには、 ログイン してください。