プパラディウス

根源的には、感覚器官では捉えられないのである。
それでは理性的認識から語られるのか。
数学的世界に仮想された思惟の産物なのか。
いついかなる時も、現れることの無いものである。
うすい体毛の彼女の思想のように。
しだいに世界の焦土に指ひとつほどの。
渾身の落雷で幹を割っておぼつかなく。
てすりに、ああこわかった、とつかんでいる
こんこんと泉水がわきたっている
どうじにくびすじには、雹がふる
理解という知の仕組みにとらわれたままに。
ここからのジャングルに天気舟を出そうと言う。
豪胆な力技でカシミールを支配する。
鳥のくちばしで死の気配を遠ざけるのである。
イラクサのいちじるしい棘で愛する。
結構する世界観のトランバルシア地帯から来る痩せた使者。
彼の手から渡される親書の厚みについて感じるもの。
愛と失望の青銅器に
言われなく人の言葉がただそそがれる通信である
認識を止めて
かたくなにデルボーへと打電する〈みそか〉
辰砂のいいわけで琥珀のとりなしで
いけないひとになってしまった
そのよいのくち、シュッポは蓮の葉の祭壇に来りて言う
あいくるしい、この子のひとみにらくがきをするなと
根源的にはうしなうことを拒否する。
かわらけの納棺のあだあだしく燃えようとしている。
とりなす世界のさい果ての流れ落ちる滝の景色が見える。
ターボで、すべてはふきとばされていけ。
こなごなになるこの感情世界は紺碧である。
惨憺たる失望世界のなんじのかわらけ
家々はプパラディウスになげだされている。

投稿者

岡山県

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。