わたしたちは夜の種族
夜の仕事で
帰り道
雨の後
窓についた水滴が
街灯できらめく
心も体も
疲れていたはずなのに
行きにも帰りにも
繰り返して聴いた曲が
その時を肯定してくれて
なんだか今よりもずっと
素敵だったように感じる
会いたい人に
会えなくなったり
嫌だった夜に
戻りたくなったり
時間はすでに多くを
刻んだように思っていたのに
あまり変わってもいないようで
ぼくらはこれから
きっと年老いていくだろう
胸につんと
痛みを感じるくらい
いとしい瞬間を
繰ると項はすすみ
もう読み返すことはできない
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