みちひき

まさかまさかだろうと慄いて
まだかまだかと恋待ち焦がれ
来訪ありて安堵する人のあり

今度こそ今度こそと祈り待ち
そっと胸ふくらませてふたり待ち
来訪ありて落胆する人のあり

満月は十五夜
新月の闇もまた光
月はいつも結局まるこくて
何らかこの星と響き合っている

投稿者

千葉県

コメント

  1. 繰り返す言葉の焦燥感、それを月がもたらす波の満ち引きに例えるオシャレさ。短いながらにセンスが光りますなあ。

  2. @トノモトショウ
    さん、コメントありがとうございます。
    私が一連目に描こうとしたもの、確かにあれは若い焦燥感であったが、よくよく考えてみれば二連目もとどのつまり真逆の焦燥であったわけだ。

  3. 満月と、新月…。月は不思議ですね。満ちて、欠けて、でも結局まるこくて。私たちを見下ろしている。月に試されているようにも思います。

  4. @長谷川 忍
    さん、コメントありがとうございます。
    この地球や地球上の我々生き物の生命が、太陽のめぐみと、月の力(満ち欠け、潮の満ち引き)に導かれていることの神秘さを思うと唸るものがありますよね。
    この詩はAIに解説を頼んでも触れてもらえなかったので自分で言ってしまうと、一、二連は月→潮→月経をモチーフに、それとわかるようなわからないような書き方をしており、最終連で一気に視座を上げて冒頭コメントしたような世界に広げてみました。

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