いし君へ

熱い汗が
おまえの唇のカーブを
塩と蜜で
光らせて

ずるい舌が
口の端で笑って
空気をビリっと
切る

燃える火が
おまえの瞳孔の溝に
溶けた鉄みたいに
流れ込む

鉄も溶かす花が
おまえの
目の中の毒をぐいっと
飲み干しても
まだ、俺は息してる

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