無題

叢雨を
なぎたおす
台風は来ない
窓枠へ

風が吹くとき

それでも
雨音が
窓の隙間から染み込んで
砂が石になっていく

時計の秒針を
正確にあわせようとする
ちくたくと
この指で
砂のない時計を

叢雨を
なぎたおすスコール
台風がこない夏稲子が生吹いた
時計に砂を詰め
さかさまにする

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