秋
うち、フローリングじゃないから食べ物を床に落としても拾ってすぐ食えるよ。秋が、木々にメッシュをかける。なのに言葉が、どうにもスッとしない。自分の外縁をあたためれば、自然と戻ってくるのだろうか。待ってる、から早く来てちょうだい。何もせずにいるべき秋なんてない。初歩的な形容詞で、なんらかを言うべきだ。自分が寝っ転がっただけで、勝手に毛布をかけられる。季節の移り目で不安なわたしたちを、余計に不安にさせる形容詞。まあその代わり、リニアモーターカーのように、昔の夢だった鳥になることのように、浮かんだり飛んだりすることができるから、とりあえずまだ待とう、冬を。冬が来るまで、何かを演じている。
コメント
すっかり冬模様で秋らしさのない近頃ですが、この詩で秋を感じたいと思います。形容詞は見つからないのではないか、なぜならその新しい概念にはまだ名前がないから。あえてそれを表すなら、この詩を形容詞にしてしまえばいいのかな、と。
トノモトショウさん、コメントありがとうございます!秋はゆっくり焦らずに、形容詞を待つというのもいいですね。
お洒落でキャッチャーで実は水面下で何かが蠢いている、そんなミュージック・ビデオを観ているここちでした。
たちばなまことさんコメントありがとうございます!私の詩から何かを感じていただけたならI’m gladです…!