耳奥のエーデルワイス

エーデルワイスをソプラノリコーダーで吹いた君が
夢に現れたのは
何の為だったのか

あの頃はいつも胸が苦しかったように
だからエーデルワイスが好きだったんだ

湿った夏の教室の空気を直ぐに思い出すみたいに
校庭には幾つもの涙が埋まっていたんだよ
ちゃんとお互いを守れなかったせい
祭りの前の神社を夏服の学生らが町を旋回して行く
自転車を漕いで新しい夏をつかまえるだろうか
腕の白さにまだ汚れのない空は、永遠じゃなかった

鈴の音が鳴り響いて振り返る時が来るだろう
いつか
十年後のエーデルワイス 湿った夏の木漏れ日を
自転車に跨る度に思い出すの

 

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