鏡
見たくもないものが
映るから
嫌いだ
誰かが言ってたな
内実の伴わない美しさより
本物の泥を被れと
愛を囁かれたことがあるか?
死にたいと
お前に抱かれるぐらいなら
近寄らないでくれ
その為に人は金を作ったんだ
儲けるのが得意な理由さ
その見果てぬ空の向こうに
お前の望みはないよ
生まれた時からの傀儡なんだから
せめても
死ぬ時は選ぶだろ
後に残されたお前のお前のお前のために
玉葱みたいに希死念慮を剥いてる
最後の一枚には
本当に殺したい奴の名前があるんだろうな
延命する気なら
モルヒネも要らねえな
何が幸せなんだ
生きててさ
地獄だ天国だ
好き勝手言いやがって
神様はこの世にいない
だが信じることは出来る
それだけのことなんだ
小鳥と歌う
愛を知らない女
そのうち何処かの屑に騙される
聞けば聞くほど
目を潰したくなる
泥のような夢の中で見た月
知ってるよ
知ってる
だから黙ってろ
玉葱みたいにくるまれてく
本当に殺したい奴の名前が
人間の尊厳を守るために
お前は私を知らない
知ってるよ
だから黙ってろ
帰りたい家なんて何処にもない
待っている家族もない
底の見えない穴が開いてるだけだ
死ねばいい
お前も
今までもこれからも皆そうしてきた
明日でも三十年後でもかまやしない
その穴をじっと見てるとな
色々なことが分かるんだ
言わなかったことも
話すべきでなかったことも
この世がそんなに素晴らしくないことも
皆その穴の底にいて
二度と上がってこない
さぞかし綺麗な青空が見えるだろう
生きている頃には
誰一人振り向かなかった
夏の入道雲を永遠に待ってるんだろう
楽しみだな
夏休み
海に行ける
本気で言ってると思ったのか
頭がめでたいな
別にいいけど
セックスがどうとか
おまえが好きだとか
あの子を守りたかったとか
嘘だよ
全部な
最初から最後までそっくり適当に言った
分かってくれると信じてるよ
それじゃまたいつか
出来れば葬式で
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