皆既月食とジャラールの矢
これも忘れちまえ!
と、俺たちは笑いながら
今日の疲れをタバコの煙に変えて
過去の歌を押し流すけど
それでも残るものがある
ただ一つが
何も語らずに
背骨の奥で燃えてる
たとえ他の一切を全て忘れようが
それだけを忘れなければ
何も思い煩うことはない
月が、丸ごと夜に呑まれ
うっすらと赤くなるその時
ジャラール・ウッディーン・ルーミーの
矢のような言葉が
胸に、
いや、
記憶の不在に突き刺さる
どうだウサギ
お前のぴょんぴょんも
今日はもう通用しねえだろ?
こんな皆既月食の夜は
安心して上がりなさい
この夜の舞台から
俺が次の矢を受け取った
次は俺が撃つ番だ
待ってろ
ミヤムーも
吊られた男も
そしてジャラールも
ラストのリリックは
まだ白紙のまま
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