夏を 失った 秋に

遠く遠い
悲しみの起源で
生まれた
思いは現在に続き私の
一部を形作っている魂と。合掌

でもね
悲しみを
知っているからこそ
喜びが映えるんだ
とあの人は言ってくれた。合掌

手を合わせて
思い出す
遠く遠い
あの人の横顔は
幽かに笑っているのだった。
この宇宙が生まれた時に
宇宙の魂も私の魂も
欠けてしまったのだ
もしかしたら
欠けたものは愛かもしれない
愛の一部が欠けたのかも
でも
魂のそれぞれに欠けたものは
異なっているのかもしれない
故に、
魂は愛を求めたり
他の何かを求めたりする

夏を
失った
秋に
こおろぎのいのちの歌がひびいている
愛の歌が

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