月光の影

未来を予想する猫が
アンダルシアからやって来て
ミヤムーと鳴く
ジプシーの婆さんから
294ユーロで譲ってもらった
それはどんな契約なのか

猫はまさかのスタンド使いだった
白米にカツブシをふりかけて
踊る死んだカツオを眺めてる
ミヤムー
丸い瞳が動き始めて
タロットカードの
吊られた男が見えた

未来はもう決まってる
だけど誰もが
それを自分で選んだと思いたがる
吊られた男が浮かび上がる
お前はまだ
意味の底に到達していない
未来の腹の中で
ミヤムーと鳴く猫
吊られた男が首を傾げ
音の無い音楽が始まった

夜の虫を屠り
喰ってやがるこいつ
ミヤムー
また瞳の中で
世界が変わっていく

そしてテレビが爆発
そこから立ち上がる
ミヤムーの巨大なスタンド
口から出た言葉は
Soy la sombra de la luz de la luna

ミヤムーのスタンドは
街灯の影を引き裂き
そこから別の未来を覗かせ
誰もが自分の名前を忘れていた
ミヤムーは満足したのか
ただ顔を洗っていた

投稿者

東京都

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