プロデューサー
モブとはいえ、予算の限界はある
通勤時の同方向は
同じ顔をした動く人形の使い回し
逆方向は
100人くらいを日替わりに
対面の電車は20人
電車内は50人
無限の予算などない
1人200人ほどを巡回させる
人混みの顔とは
その程度で回している
勿論、ミスもある
電車内、服装年齢違えど同じ顔
コンビ二の従業員に亡くなった父
そういう時の為に
例のピカッを使う
ニューライザーは楽でいい
勿論、モブの使い回しは常套手段
死人など、うじゃうじゃいる
以前、葬式のシーンで
喪主と故人を間違えた時もある
要は、何が言いたいか
顔など、誰も見ていない
覚えてなどいない
それでも、足らない時が多い
私、自らコンビ二の店員もする
本人を前にして
腹が立つことも多い
呑みに行って、ふらりと寄られても
困る
店の設定をしてない時がある
入ると、小道具が積まれたスタジオとか
仕方ないので、例のピカッだ
ああ、本人も気付いている
楽しんでいる奴もいる
いきなり走りだして
舞台裏まで来て、おはようございますー
モブと世間話をする猛者もいる
24時間、こんだけ苦労してこの有り様
ムカつくので、次のシーンで交通事故
ああ、あの世とかも
勿論、こっちの仕事
地獄は、全員着ぐるみなんで楽でいい
え?
他の人間はって
もう、100人もいないんじゃないかな
どんどん減ってるしね
うちらも外注で受けてるだけだし
彼らの母星、ああ地球だっけ
疾うの昔に太陽に呑み込まれたよね
つまりさ、エンターテイメントなんだよ
如何に、本人を満足させるか
下手なプロデューサーだと
本人もモブもあくびばかりしてる
だから宇宙人とか、キワモノを使う
やれやれだ
さあ、休憩は終わり
次のシーン、いくよー
モブはそこから
ああ、そこの店は入り口は閉め切りで
ハイ!
スタート
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