大阪環状線
環状線に乗り、鶴橋駅のホームに立つと乱立する焼き肉屋の匂いに食指を動かされ、ケジャンなどのキムチを衝動買いしてしまう。数駅先の新今宮のホームに立つとツンと鼻を突くアンモニア臭がする。混沌とした世の中に絶望した人達が身を寄せる労働者の安息地、それが西成である。改札を出てしばらく歩くと、ズボンと下着を膝下まで下ろした老人が公共の場で堂々と横になり熟睡している。誰も声を掛ける様子もなく、まるで何もないように自然に溶け込んだ光景となり、私の目にもそのように映る。自由を手に入れるには、見上げるほど高いハードルを越えねばならないのだろう。
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