孤独〜バルセロナの教会にて
旅先での夕暮れ時
寄り添う恋人たちを見た
二人ともひょろりとした長身でウェイブがかった長髪
精霊のようだ
教会へ向かっていく
悲しみに彩られたその姿は
しかしどこから見ても美しかった
冷たい冬の風が髪の毛を揺らしているのに
愛という名の木漏れ日が背後に映っている
抱き合いながら
その頬に涙を流している
誰かの死と向き合っているのか
どんなに心が苦しくても
どんなにひどく悲しくても
二人でいれば
なんとかなる
そんな色の鐘音が聞こえてくる
私は教会を背に歩き出す
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