星空

創造は心を癒すことはない
喜びは必ずや失われる
破壊こそ
私たちの、諸々とした感情の全てを
討ち滅ぼす

あるゆる物ごとは破壊された
灰すら、風が何処かへ連れ去った
残るは
荒野に聳える岩山と、満天の星空のみ
静寂が
世界を包み、全てを癒してくれる

兀々した岩に座り
冷たい空気を
胸いっぱいに吸い込む

見渡す限りの荒野を眺めながら
深く息を吐く

何もない
何も存在しないことに
安心と安堵を覚える
この空間にこそ、業の終わりを見る
この時間が永遠に続く

人間であった頃の
喜怒哀楽の苦しさ、哀しさよ
生命の脆弱さよ
全ては死に絶えた
星空だけが過去と未来を示す

凸凹とした岩に座り
満点の星空を眺めている
無常と静寂だけが存在する