子どものころ雲梯は私の唯一の詩

子どものころ雲梯はわたしの
唯一の詩だった雲梯は鉛筆
しか持てないぶらぶらと
した手をいまは鉄の棒
をつかんで移動できる堅い
足にしてしまったずっと
地面につけていた足をぶらぶら
した手にした私の足
は手になり私の手は足になり
それだけでもう最高の詩だ

たのしくて
たのしさがどうしようもなくて
地面なんかどうでもよくなった

あとで知ったそれは「自由」だ
ったあとでいらなくなった「自
由」でもあった味のしないガム
みたいにべつにって顔して吐き
出した

吐き出していまは
たった3.1WのJBLのスピーカーごと
近所迷惑と騒ぎ立てる人たちの
集まった木造アパートの家賃
3.1万でスティービー・ワンダーを
聴いてたんだ最高の自由
ハロウィンの日に聞くOne Little C
hristmas Treeで
今日をクリスマスにしてしまおう

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