お日様の恋歌
「お日様の恋歌」
黄昏が過ぎる頃
月がささやく恋歌に
月見草は恋をした
夜深く
そのささやきは
なおさら熱く流れてくる
ときめきが 恥じらいが
頬をピンクに染めてゆく
朝には消えてゆく
儚い夢と知りながら
月見草は恋をした
星が去り夜空の幕が降りる頃
月見草も静かに目を閉じた
やがて お日様が 東の空に顔を出す
黄昏に月に託した恋歌を
色をなくしたその頬に
お日様は
何度も何度もささやいた
西山に浮かぶ月ひとり
星を求めて消えてゆく
誰のためのささやきか
辿る宛てない恋歌が
月に並んで消えてゆく
※ 夜に咲いて朝にはしぼむ一日花・月見草
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