サイクル
カクッ カクっと
逆に折れて使えない傘みたいに
どこにも居場所がない、という
あなたに
「おはようございます。」と
どこかで誰かしらない人が明るめに呼びかけるから
間違えて出したゴミの日を叱られただけですごーくやるせないようないたたまれないような気持ちになるから
形式的な喪に服す車たちに乗って
また海まで行きたくなるんだろう
それで届かない夕ひを
どうあがいても届かないきれいできれいな縦の線を眺める
(知ってた)
しばらくしたら
またべそかきながら帰ろうてなるんだろう
時々そんな合間合間に
何食べようかな、なんて言う蛍光灯のスイッチが
チラチラして
美しすぎる多面体から遠ざかり
結界をペタペタはっていく
居場所がないのは
この手で触れる自分じゃなかった
(そうそう)
もうすぐ、夜で
もうすぐ、冬だ
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