雨降り予報の午前と午後
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なんとなく、うつむいていた。
手持無沙汰の毎日は、悲しみがいっぱいで、
わたしはわたしの手元から、
空にむかって心を送り出す。
やあね、いやよ、待って、すこし……
雨よ、雨よ。ぽつりぽつりと、
おはようを今朝も言ったけれど、
あなたから返ってくるのは「ああ」だけで、
心はどこか遠くの海の港をさまよっているみたい。
わたしの胸のうちを見てはくれないのね。
日記に、「馬鹿ヤロウ」って、書こうかな。
そんなわたしの午前の雨降り……
とてもはるかで、言葉になんかできない……。
──
こっそりと、泣いていたよ。
ありきたりの時代は、セピアの色で、
あなたはあなたの手元から、
聖なる言葉を送りだす。
信じて、待って、僕を、見つめて……
天よ、天よ、僕たちの足元に、
まばたきをいつも繰り返すけれど、
僕が言えるのはただ、「いいよ」だけで、
二人のすれ違いは、夕闇の街へ消えていく。
僕の心の思いは、君に届かないんだね。
今朝の目玉焼きに、ソースかけようかな。
ちょっとした僕の反抗……
だけど、僕たちの日々は変わらないんだね……。
──
だけど。だから、
2人の毎日は繰り返される、
その重くって、軽いふわふわな時間を、
「わたし」と「僕」とで、たずねて行こうね……
ぬいぐるみのクマさんが見つめている、
クマさんは、ただ笑顔で「こんにちは」って言う。
それと同じように、僕たち──わたしたちも、「こんにちは」。
ただ、手を振って……
音符が五線譜を満たしていく。
ドレミファソラシドの、ずっと向こうに、約束された大地があるの。
雨降り予報の午前と午後。
コンビニからおにぎりを買ってくるよ。
雲行きはずっと、はるかなままであるよ……
コメント
落ち着いた全体の空気感だと感じました。
音符が五線譜を満たしていく。
ドレミファソラシドの、ずっと向こうに、約束された大地があるの。
そして、ここで、安心できました。約束された大地が、すてきです。
@こしごえ
様。ちょっと介護中に感じたことを恋愛詩に見立てて書いてみました。