北の鎌倉

「 北の鎌倉 」

雨ににじみがちな蝉の声の中
素足の胸に心地よい丸い石段
こんな時カラカラ
蛇の目の人が行けば
名もない詩人(うたびと)も筆を運ぶだろう

出会う人の顔は物悲しいか
それとも穏やかな二色刷りの路
鐘がひと鳴り
名残りの夏にせめて
墨絵の跡もぎこちなく綴る恋心

「時」を惜しむように浮かぶ黄昏よ
命に確かな色はあるだろうか
北の鎌倉
何時しか雨も消えて
初めて辿る路なのに馴染んだ風が吹く

・・・・・

初めて鎌倉を訪れた時
下駄を履き蛇の目を差した外人さんが
石段の途中で通り過ぎて行きました。

投稿者

長野県

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