普通こそ尊き

目立たない朝に起き
同じ靴を履き
同じ道を歩く

拍手も
賞賛も
ここにはない

疲れた顔を
人に見せないようにして
今日をひとつ
当たり前のように終わらせる

それは
奇跡よりも
ずっと難しい

諦めず
投げ出さず
逃げない選択を
何度も
何度も
選び続けること

普通に生きるとは
心をすり減らしながら
世界と折り合いをつけ
それでも
明日を拒まないこと

誰にも気づかれない場所で
踏みとどまった一歩
崩れなかった一日

それらは
賞にならず
記録にも残らない

けれど
世界は
そういう人たちの
静かな積み重ねのおかげで
今日も
傾かずに立っている

普通に生きている
それは
弱さではなく
最も根気のいる
強さのかたち

投稿者

京都府

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