秋雨

駅に着き
電車から降りた私を
迎える雨は
火照った頬を
冷やしていく
 
次々に咲く傘は花となり
街灯の灯る町へ
拡がり流れ
宵闇に色を失って
 
一歩先の石畳に
ケヤキの葉が郷愁に散り
二歩先の石畳には
桜の葉が惜別に散り
 
ひとつ響く
私の靴音
ゆっくりと
秋をなぞりながら
独り愉しむ
この刹那

投稿者

愛知県

コメント

  1. とても綺麗な刹那でした
    部屋に飾って置きたいです

  2. @風太郎 さん、コメントありがとうございます。
    風太郎さんの日常の、少しの彩りにしてもらえたら、言ってもらえただけで作品も喜びます^^

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