ヒトについての生態学的スケッチ
品性はないものの知恵はまわり
周囲を軽く威圧している
片足をあげて小便をひっかけるように
ところどころで女に声をかけながら
職場をうろついている
「野良犬のような男」
与えられることに慣れきって
自分の意志も社会での役割も失ったまま
澄ました顔をして電車に座っている
「猿のような年寄り」
砂の上に据えた尻をぶるんと振るわせ
自分にとって居心地がいいように
男にいうことを聞かせている
「雌鶏のような女」
ヒトの生態学的な行動様式は
身近な動物に似ている
ヒトは自分を「人間」だと思っているが
実際にはもっと
動物に近い
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