蕾
一輪の花がゆっくりと、蕾を開く、宵の夢
創造のわざは、私のなかに働く
私を支える茎は背骨、密かな光合成をとめず
今日もわずかに、背丈を伸ばそうとしている
たとえまだ、日の目を見ていなくとも
私の内に隠れた蕾を、私は愛でる
うずくまっているように見えても
花開く春の陽をじっと待つ、蕾よ
夜の底で人知れず
沈黙と語らい
私は蕾を愛でる
ただ光を求めながら
一輪の花がゆっくりと、蕾を開く、宵の夢
創造のわざは、私のなかに働く
私を支える茎は背骨、密かな光合成をとめず
今日もわずかに、背丈を伸ばそうとしている
たとえまだ、日の目を見ていなくとも
私の内に隠れた蕾を、私は愛でる
うずくまっているように見えても
花開く春の陽をじっと待つ、蕾よ
夜の底で人知れず
沈黙と語らい
私は蕾を愛でる
ただ光を求めながら
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コメント
最近は毎日寒すぎて、コタツの中に埋まりながら蕾のように春を待っています。あと何ヶ月あるんだ。まだ何者でもない人々への応援歌のようにも読めました。自分もいつか花開くのを待ちながら、少しずつ成長していきたいです。
服部剛という詩人の詩が生まれる様を詩にしているようなイメージで読みました。
この詩の「私」の存在がすてきです。そして、
夜の底で人知れず/沈黙と語らい//私は蕾を愛でる/ただ光を求めながら
というところが特に好きです。夜の底で人知れず 沈黙と語らい というのを想像して、ただ光を求めながら というのを思うと しびれます。
いにしえの記憶をのぞいているみたい。美しいです。
服部さんらしいお作品ですね。じっくり、夜の底で人知れず、沈黙と語らい、美しく咲いてほしいと思いました。
トノモトさん
誰もの中にある蕾をテーマに、書きました。結果的に密かな声援になればと、思います。
あぶくもさん
そう言われてみると、確かに。(^^)
こしごえさん 深い心で、この詩を受け取ってくださり、ありがとうございます(^^)
たちまこさん
誰もの存在の奥に、あるものなのでしょう。 ありがとうございます(^^)
長谷川さん
花が咲くとはどういうことなのかを自ら知り、分かち合いたいです。