あねといもうと

わたしたちは立っていた
白茶けた骨の粉塵が空中に輝く道で
紫外線は不安に影を刻んだ
わたしたちは針の折れた柱時計ではなかった
象のひび割れた耳でもなかった
そして道端に転がる誰かの左手を見ていた
わたしたちは
互いの手が白くなるほど握り合った

ははは いない
ちちは きえた

細く遠吠える祈祷と
熱い腐臭が
わたしたちが平面を喪うことを
妨げていた
髪の焦げる匂い
土竜の鳴き声
揚羽の羽ばたき
わたしたちの目の中で蝋になり
溶けていく
そして蒼いシミ

おねえちゃん あついよ
いもうとよ もうすこしよ

風が吹けば 風が吹けば
神様の救済の啓示だと
思えるかも知れない
それは頼るものがないという希望だ

記憶と景色が折り畳まれていく
握り合った手は一層白くなって
倒れるのも
立ち上がるのも
ふたりで

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