ルナ

ひっそりと私を追いかけるお月さま
闇の中ではあなたの独壇場
星を配下に誰よりも輝いていて
なのに青空バックとなると
まるで私の爪みたい

なんだか日々の些細な出来事が
研ぎそびれたナイフのように
刃こぼれしたまま切れ味の鈍いまま
私をギリギリと刻んでいく
けれども人とは恐ろしいもので
この痛みにも焦燥にも哀しみにも
考えなければそれで良いと
慣れてしまうから

小さく瞬く星だって
私たちの母なる地より
大きな大きな星なのだ
望遠鏡を覗いて
初めて分かるのでは遅いくらい
それは紛れもない事実なのだ

生きるということは
眩しく遠く霞むように曖昧だ
首を上げ、やっとの思いで薄ら目を開け
初めて私はその青空に
抱かれているのだと知ったのだ

反射し、きらっと光る私の爪
月に見えた。

投稿者

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

コメントするためには、 ログイン してください。