泉の中で

早く君に会いたい
君よ、君
私と瓜二つの哀しみと、
私と大きく隔たる喜びを持った君。

今、心は焦燥と嘆きと感傷で
深い泉に突き落とされた。
その直前、水面に映る私を通して
私は君を見ていた。
人は自分の鏡だと誰かが言っていたけれど
私がいてはじめて君はいかに明るく軽快で
それでいて弱いことを知るだろう。

休めよ、休め
疲れたい人生だった
答えのない問いに悩み、
答えのない日々を謳歌する
不幸に焦がれる人生だった
それなりにやり過ごせたはずだけれど
温室の中の温もりは太陽によるものではない
ガスによるものだったのだと知ってから
どうにか新鮮な空気に触れたくなったのだ。

それもこれも君のせい
まだ見ぬ君が、不幸を見る君がいるはずだから
君と同じ哀しみに暮れ、
それぞれの喜びを同じ喜びにしたいのだ。

早く見つけて、そう呟いて
私は泳ぐ、あてもなく。
痛いけれど、この目を開くのだ。

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