あ、

弱いままでいたいな。
カーテンの隙間から差し込む光にだって
毎日嫌というほど靡く
電車の音とその揺れにだって
悪意なききみの愚痴にだって
あなたの心に芽生えた
私への感情にだって
やさしさは私の心をやくから。
これ以上どうか私に正しさを教えないで。
弱いままで、繊細なままで、
知らないままで、淘汰されたい。

死んでしまいたいな。
遠目から見たヘッドライトと雨水の乱反射。
すっと鼻筋の通った姿勢正しい女性。
ビビットで曖昧で輪郭のない印象画。
何かをつぶやきながら足を引きずる老父。
綺麗なものは綺麗なままでいてほしい。
けれどどれも同じなんだろうか、
同じなんだろうな。

あ、グラデーション。
一色でない世界で、よかった。

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