終焉

ダリは時計を溶かし
僕は眼を溶かす

独り芝居が撥ねて 
沈黙の並木を歩くと
僕を捨てた恋人が
銀杏の陰で鉈を研ぐ
すべては始まり
すべては終わっている

この街は 
死んだものがさざめいている
ワァグナァの五番
校門の女子高生たち 
団地行き最終バス
交尾中の犬

ウィスキー樽のように
息を殺し
絶えていく

溶けた眼で君の影を追う
影さえも溶けて
静謐に死ぬ

この街は再訪しない
安ホテルのテーブルで
カードは書いても

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