アンチョビの胡麻塩

アンチョビの瓶に残った
古めかしい海の匂いとともに
思い出の染みた
湿った潮風を
フライパンで水気をとばす

煎り米を少しと
黒胡麻を加え、
大波に揺れる船のように
フライパンを傾けると
やがて船は異国の港に近づく

土鍋で炊いた白飯を握り、
アンチョビ風味の
胡麻塩を
熱々の上にまぶす

黄色くて甘い
ダイコン・ソッタチェートを齧り、
リーゾの塊を頬張ると
微かなアンチョビの匂いのなかで
舌に港が揺れる

投稿者

大阪府

コメント

  1. 読んでおなかが減りました。さっきカップヌードルカレー味食べたばかりなのに。私のカップヌードルカレー味を返して下さい、ゼッケンです。atsuchanさん、こんにちは。

    ひとになんらかの感情を抱かせるのってホントに難しいんで、これ、すごいね。しかも満腹なのに。その上、マルコポーロみたいなイタリアの船乗りが日本まではるばるやってきておにぎり食べるというストーリーも浮かぶし、カップヌードルカレー味を美味しく頂いた私がなんかその、文化的に惨敗しているような気にまでなるという。

  2. @ゼッケンさん、こんにちは。

    満腹のあとに入り込む余地があったのなら、それだけで十分に報われた気がします。

    アンチョビという瓶詰めにされた海の匂いから、どこか別の港までつながっていく感覚を書きたかったので、マルコポーロのイメージはとても腑に落ちました。

    カップヌードルのあとに、少しだけ異国が混ざったのなら嬉しいです。
    ありがとうございます。

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