瞬きと逃避

明かりがまぶしくて目をつむる
わたしは誰なのだろう、と
まぶしさにかまけて考える

脳がゆらゆらと揺蕩う
透明な水の中
ほころびから空気の粒が漏れる

弾けて浮く
なにもわからないままで
誰とも会えないままで

止まって回す脳の形を
指の先でなぞるふりをして
ばかみたいねってつぶやく

まぶたの裏を見つめている
わたしは何なのだろう、と
懲りずに明日も考える

悪戯に息を止める
苦しいのは嫌いなので
すぐに思いきり空気を吸い込んで

想像をする
吸った酸素が肺胞まで届いて
わたしの血液に浸透する様子

明かりが恋しくて目をあける
わたしはどこへ行くのだろう
あけたところでわかるわけもなく

ただぼんやりと明滅する灯りが
時折繰り返される瞬きの拍子に
こぼれる液体を追いかけている

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