皐月って
皐月はいつも走っている
窓を開けるとカーテンがぶわっと広がる
まるで通り風のように
彼女の周りには重力なんて存在しないかのように
軽快な青風とともに現れる
皐月はいつも温かい
穏やかな笑みで、鈴のような音色で声を発し
無邪気な姿に癒される
人前で涙を流すことはあるのだろうか
皐月は実は愛されたがり
ぬくもりの裏にはある淋しさが紛れている
いつもいつも大切なものを忘れてしまう私が
皐月のことをどうか忘れてしまわぬように
1年経っても、2年経っても、
10年、100年経っても
彼女は必ずここに帰ってくるのだから
この予熱がずっと続きますようにと祈りを込めて
もうじきやってくる長い長い雨に
身を攫われてしまう前に
私はたんぽぽの綿毛を飛ばすのだ
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