雨上がり

ぽたっぽたっ
僕は濡れて帰ってきた

「あらまあ、どうしたのよ」
家が心配してくれた
、、、母ちゃんが心配して呉れないから

ぽたりと落ちた雫が
僕の涙と混じっていた。
泣いていないはずだったのに、
本当はずっと泣きたかったんだ。

雨の日は、母ちゃんも大変だ。
それは、判っている。
でも、僕は、欲しいんだ。
あの包んでくれる優しい腕の、その温もりが。

あ、隣のじっちゃん。
「どしたんや、えらい濡れてるぞな」
自分で適当に訛りっぽくした言語で
じっちゃんは僕の髪を、身体を、
温めてくれた、瓦斯焜炉だったけど

じっちゃんは抱きしめてくれた。
母ちゃんにしてもらいたかった事を、
全てやってくれた。
じっちゃんは、優しかった。

雨上がりなのに、
雨上がりのはずなのに、
寒くない、
ただ、
ただ、

――温かかった

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