怪談

たすけて、と
誰に言うでもなく
男の口から溢れる
干からびた布団に
倒れ込んではまた
起き上がり
出かけては
疲れ果てて
帰って来る
誰もいない
廃屋

もう、終わったことを
男は知る術もなく
カタチを亡くしても
くり返している
くり返しているとも
気付かずに

たすけて、と
絶望が、くり返す

投稿者

奈良県

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