色々

色々

赤色のコートを着たあなたが
荒んだわたしの裏庭に
青色の欠片を撒き散らしたのは
わたしがまだ芋虫だった頃

黄色いワンピースを着たあなたが
枯れたわたしのテーブルに
緑色の皿を並べ始めたのは
わたしが蛹になりかけていた頃

次から次へとあなたは
わたしの暮らしに色を置いていった

蝶にはなれなかったけれど
わたしの意識は羽ばたくことを覚えた

今では色の好き嫌いを言って
あなたの色を曇らせているわたしは

いったいいつから人になったのだろう

投稿者

東京都

コメント

  1. この詩、全体に優しい感じがして好きです。
    一行目からずっと来て、最終行の いったいいつから人になったのだろう、というのが効いています。最終行の一行で、この詩の物語が一気に広がり豊かになる感じを受けます。
    すてき。

  2. 好きな色味です
    手前のピンがあってるところも良いですが
    対局の日本の旗みたいなのが良いなぁ

  3. 印象に残り、いろんなことを連想させる作品だと思います。いろんなことを考えました。四行目の「芋虫」で飲んでいたコーヒーを吹きそうになったのはナイショです。。。

  4. いつもながら美しいな。色が次々と投げかかりあざやかに残像として残っていきます。
    そして最後の、無色透明な問いかけが、あまりにも純粋なのです。

  5. こしごえ さん
    >ありがとうございます。
    私にとっては結構リアルな詩なので
    すこし気恥ずかしいです(笑)
    なんとか「人」になれたので書けました。

    那津 さん
    >ありがとうございます。
    池袋西武の屋上で撮りました。
    もとの写真はワイドでもっとニュアンスがあります(笑)
    あったかいクマの三兄弟です。

    佐藤宏 さん
    >ありがとうございます。
    かつてカフカとか安倍公房とかが好きだったので
    つい人を虫にしてしまう癖がついています(笑)
    今後、私は何者になっていくのでしょう。

    ザイチ さん
    >ありがとうございます。
    いつもながら励ましの言葉をありがとうございます。
    モノクロも好きなのですが、冬はやっぱりカラフルですね。
    ザイチさんのカラフルな発想力も好きですよ。

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