鉄道控室
些細な行き違いがあり
鉄道控室を訪れた
鉄道控室は海みたいに白くて
何もない部屋
担当の山田さんは
図面やお役所の書類を示しながら
境界がこうなっていて、とか
所有している方がご高齢で、など
いろいろな説明をしてくれる
わたしも何かしてあげたくて
色紙で折った青い魚を差し上げた
この部屋では泳げないけれど
栞の代わりにしますね
と山田さんは読みかけの
わたくし小説に挟み
曖昧な所は法務に相談してみます
そのように言った
わたしは法務を
ホームだと勘違いして
鉄道だからかな
なんて思い
波に濡れた足を拭きながら
がたんがたん
潮風に向かって走る
鈍行列車の口真似をする
良い音ですね、と
微笑む山田さんが
鉄道控室から
まだ手を振っている
コメント
鉄道控室、水族館の水槽のような、静けさと安心感を感じます。
五月の空は海のように青いため、水平線と空の境も曖昧な、そんな鉄道を空想しました。
行き違いから「勘違い」で柔らかく解け合って、
優しい山田さんが心に残ります。
汽笛は波の音なのか・・・どんな音か聞いてみたくなりました。
とても良かったです。
口真似をするわたしの姿は、なによりも新鮮です、そして幸福とは、口真似することであると、了解できるのです、がたんがたんと。
@野鳥倶楽部
野鳥倶楽部さん、コメントありがとうございます。
水族館、好きです。しながわ水族館の年パス買ったこともあります。
五月の空も、海も、鉄道も、私の中でいつまで経っても曖昧で美しい存在です。
@風太郎
風太郎さん、コメントありがとうございます。
柔らかく解け合う、ってとても素敵な感覚だと思いました。
汽笛、どんな音なのだろう。
とても微かで、確かに聞こえるけれど、とても微かで、もしかしたら波音なのかもしれないけれど、あっ、聞こえる、くらいな、それくらいに微かな。
@坂本達雄
坂本達雄さん、コメントありがとうございます。
うちの孫がしゃべれるようになり、最初は単語をぽつりぽつりでしたが、今では三語くらの文で、やはり両親(私からすれば娘夫婦の)の口真似です。
口真似には幸福が待っているのでしょうね。
大きなお風呂場での一場面を想像しました。
夜空へ昇る湯気はまるで蒸気機関車のような・・・。そして宇宙まで、ということで
あの車掌さんが真っ先に出てきました(銀河的な)。
わたしもウッカリなのかもしれません、法務を
フォームだと思い、このコメントフォームを送信している次第です。
@kフウ
kフウさん、コメントありがとうございます。
車掌さん、今頃になって正体が気になって調べてみましたがなかなかに切ないお話でした。
子供の頃、線路の近くに住んでいて、貨物列車に手を振ると最後尾の車両から車掌さんが手を振ってくれました。
鉄郎、メーテル、ハーロック、エスメラルダ、あの世界線の人たちは重いものを背負って生きていますよね。