星の観測者
昨夜の星の記録中
突風が吹き
星見櫓が崩れた
櫓から投げ出され
僕は掠り傷で済んだが
望遠鏡は壊れ
毎夜重ねた記録用紙は
夜空へと吹き飛ばされた
目映い陽光を浴びながら
櫓の残骸に腰掛け
見上げる青い空には
積雲の千切れ雲が
のんびりと流れているが
上空では今も尚
記録用紙をさらった風が
びょうびょうと
吹き荒れているのだ
雲のさらに上は
ひたすら澄み渡り
星降る夜と
同じ空とも思われず
見慣れぬ思いで眺めていれば
果てのない蒼穹が
僕の目の前まで迫り
いつしか
己と空の境が
わからなくなり
いつになく
この空が親しく思われ
はらはらと涙がこぼれた
コメント
いつしか
己と空の境が
わからなくなり
いつになく
この空が親しく思われ
はらはらと涙がこぼれた
この詩の最後の方に、この詩の熱量が集中していて、すてきです。
この詩を拝読して、
今は亡き次兄の生前に、次兄と私が二人一緒に星空を眺めていたのを思い出しました。
その時、星がゆっくりと動いていて、次兄が幼い私にこう言いました。「星が動いてるんじゃねーんだ。地球が回転して動いてるんだ。」というようなことを。
なつかしい思い出です。^^
@こしごえ
様
嬉しいコメントありがとうございます。
大切な思い出のお話も、ありがとうございます。
夜空、青空、夕焼け空、色々な様相の空、見上げていると、その雄大さに感化それて、こちらの気持ちまで広がる時があります。
私の場合は、空を見上げたからといって、残念ながら、いつもそう思えるわけではありません…。こちらが雄大さを察知できる時、心が狭くなっていない時に、そう感じるのでしょうかね。
素晴らしいものを見つけた時、さっと心を震わせ、側にいる人に心動かしたものを伝え、分け与えることができる、またそれを自然にできる、という瞬間に出会える機会は、人生で何回くらいあるのでしょうね。宝物のような瞬間です。