祠 (ほこら)
路地裏の突き当たりの
椋木の陰に
その祠はある
観音開きの扉は
風が通る度に
バタン、バタンと
音を立てている
扉の奥には
ピエロ人形が
住み着いている
雀たちはこの人形を
カミサマと呼んでいるが
朽ちかけた祠の屋根に
平気で遊んでいる様子より
信仰心は見受けられない
ところで
あの人形は
いつから祠にいるのだろう
「あんたが押し込めたのさ」
僕はそんなことはしない
「じゃあずっと前からいるのさ」
そんなことが有り得るだろうか
暗がりの扉の奥で
ピエロ人形が
僅かに振動する程度に
運命の糸を引いていることを
僕は知っている
急激に引くと
余波が思わぬ惨事を招くため
ほんの微かに
糸を震わすのだ
今も祠の扉は
開いたり閉じたり
バタン、バタンと
鳴り止まぬ
コメント
誰の心にも在る祠ですね。
私(風太郎)の中のピエロはそれさえもマリオネットかも知れません。
雀を肩にやはり不確かな明日への不安を いつも パタンパタンと・・・
@風太郎
様
コメントありがとうございます!
本当の自分は、どこにいるのでしょうね。本当の自分など、本当はいないのかも…。いなくなったのか、最初からいなかったのか…。
自分というものは、案外、曖昧なものかもしれません。特に、私は、自分が何をしたいのか、何を望んでいるのか、よく分からない優柔不断さです。