たぶん月だと思う

「たぶん月だと思う」

B♭のブルースが
今夜も桟橋を渡ってゆく

リズムに浮かれる月
聞き惚れる月

大海原をE♭が
容赦なく泳いでゆく

泣きそうな月
背中を向ける月

ブルースは途切れない
転調しながら海が尽きるまで

なりすましの月らを
しらけて熱く眺めている私は

思い出せない

在るはずのエンディングさえも
指揮棒の行く先も
そして私の顔さえも

四フレットの薬指の痛みだけが
ここに居る

わたしは誰

投稿者

長野県

コメント

  1. フラット
    フラット
    フレット

    いつかの転調に
    見入り、聴き入りました。
    強くも感じましたが
    エンディングも
    そこへ至る過程も

    始まりすらない
    痛みだけは痛切ですね。

    拝読できてよかったです。

  2. @wc.

    「痛み(私)」ただそれだけの詩です。
    心象そしてリズムを感じていただけてとてもうれしいです。
    コメントありがとうございました。

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