「三日月」

「三日月」

漫夜中独歩
閑月闇於浮
輝影漂流面
波揺何客舟

○●◎

「三日月」

そぞろに夜の中を独歩す
月はしずかに闇において浮かび
輝く影は流れのおもてに漂う
波に揺らぐはいずれの客の舟ぞ

●○○

一句を、一人で歩いている情景にしようと考えていたところ、読んでいた本に国木田独歩さんを見つけ、独歩に飛びつく。
水面に映る月を、どなたが乗る舟ですか、というのは在り来たりかもしれないが「何客舟」という言葉を使ってみたかった。

今月の三日月は、先週だった。
今日は夏至。

投稿者

大阪府

コメント

  1. 想い人と一緒に乗りたいような三日月の舟です。
    書き下し文、とても美しく読めました。
    漢詩の音(韻等)については知識(馴染み)がないもので、何となく感じる程度しか出来ない自分が残念です。

  2. @風太郎

    嬉しいコメント、ありがとうございます。
    私も漢字を規則通りに並べるだけで、朗読はできません…。漢字の並びを楽しんでいるだけですが、確かな発音での朗読はきっと耳に心地好いでしょうね。
    確かに、月の舟も乗れるならば、一人より二人かも!

  3. @風太郎

    中国名詩選 (岩波書店) の解説を読んでいたら、音に関する記述があったため、追伸です。
    漢詩 (近体詩) は、平仄の並びに決まりがあり、平仄とは、平 (平らな発音の字) と、平以外の仄 (上声、去声、入声) です。
    中国の現代標準語では仄に属す入声が失われているそうです。むしろ、日本に古来伝わった漢字の読みに、入声の面影が残っているそうです。
    六 (ろく) 、七 (しち) 、八 (はち) 、国 (こく) などなど。
    異国の昔々の詩の形体と思っていたら、知らず、私たちは使用しているのですね。
    風太郎様のおかげで、勉強になり、漢詩に対する親しみも増しました。ありがとうございます!

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