「夕凪欲風」

「夕凪欲風」

夕凪雲未動
鈴向煽団扇
藍色加空誘
立昇蚊遣烟

○●◎

「夕凪に風を欲す」

夕凪に雲未だ動かず
(風) 鈴に向かいて団扇を煽る
藍色加わりし空が誘い
立ち昇る蚊遣りの烟

○●◎

「凪」を漢和辞典で引くと、平仄なしに「国字」とあって驚く。近くに記載の「凧」「凩」も国字。凪や凩の気候は日本独自であるためか。
中国の凧は呼び名が違うのだろうかと調べると「風の琴」という意味で「風箏」と呼ぶそうだ。
「凪」の説明に「止まるを覆う部分は風の省略」とあったため、風と同様の平仄で用いた。

投稿者

大阪府

コメント

  1. 国字ということはこの詩は和製漢詩になるのですか。
    夕暮れの僅かな時間の揺れが風流々々で煙の匂いが仄かに。
    素敵です。
    でも、時折漢和辞典のお世話に・・・汗

  2. @風太郎

    嬉しいコメント、ありがとうございます。

    国字は中国語読みがないため、漢詩で用いるのは、ルール破りですが、私のこだわり不足なため…。
    日本人が漢詩を作る欠点を「和臭 (わしゅう)」と呼ぶそうです。
    日本の文人の漢詩には、和臭に拘らない自由なものもあるそうですが、用いている教科書には、
    自由な詩型の表現がある中で、わざわざ中国古典の器によって何事かを歌おうとする、そのために共通のルールがある、
    とありました。
    一方で、
    詩は個性を尊ぶもの、日本的なものが出て来るのは当然、詩想を寄せたものが漢詩の器であるため、どう調和させるかは非常に大きな問題である、
    とも。

    私はまだまだ初心者で、甚だしい和臭ですが、試行錯誤しつつ、自分の身近な世界を表現できるよう、僅かなりとも深めていけたらなあ、と思います。
    考えたり、調べたりするきっかけになり、コメント、大変有難いです。
    ありがとうございます!

    小さい時の、縁側の風景を思い出し、書きました。
    縁側と庭がある家、憧れです。

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