天の使いは日の光
ものすごく単純に
あなたは私を裏切った
傷が跡になって
私はそれを罪だと思った
償ってほしくなかったから
忘れてほしい
それだけを約束して別れた
春だった
もしかすると
世界が桜の花が咲くのを夢見た
泡沫の白日だったのかもしれないが
あなたはきれいだった
何も知らない
わたしも若かったのだろう
目を覚ましているあなたを
もう一度眠りに誘う
そこでしかあなたには会えない
みんな知っていて
ただそう告げられない
目を覚ましているあなたに
ここにはもう真実の欠片も残されていないと
教えるのが怖い
私が
世界の終わりを歌いながら
天使を殺すから
妖精が死んだと聞いたら
少し悲しんだふりをして
森を焼いて欲しい
詩人の墓前で
美しい言葉たちを看取っている
孤独な神様みたいに
コメント
孤独な神様の胸の内を、あるいは心持ちを、覗いてみたいと思いました。…この神様も、詩人かもしれない。
長谷川 忍さん
感想で触れていただいた辺り、
元々は棘だらけで読めたものじゃなくて、
だいぶ改稿しています。
詩人かもしれない、という言葉が悲しく聞こえる今日此頃です。
最後の連のたたみかける死と弔いが美しくファンタジックでした。
たちばなまこと/mさん
有り難うございます。
コメントをいただけるたびに嬉しいです。