夏の朝

蝉が鳴き出す前にと
わんこに引っぱられ
ゆるい坂を登って
河原の道に出る

「昨日はめんどくさい客が来たんよ」
「おばあちゃんに冷房付けるように言わなきゃね」

いつも通りなんやかや話しながら

「ペットOKのカフェできたで、行ってみよ」
「あそこの花屋、掘り出し物あるし安いし、ええで」

この町のそこここに
家族のお喋りが落ちている

みんなそれぞれの道を歩き始めて

ひとり歩く道

古いままのパチンコ屋の看板
変わり映えのしない景色に
家族の映像が蘇る

日射しが眩しくて
帽子を目深に被りなおす

そろそろ蝉が、鳴き出した

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